2011年、東日本大震災から8年(2019年3月現在)が経過していますが、今現在も被災地では復興・復旧が続いています。
3.11に近づくにつれて、さまざまな報道番組で東日本大震災の特集が組まれるなど、この時期になると震災に再度、注目が集まります。
NHKニュース「おはよう日本」では「震災遺構」についてクローズアップされていました。街を立て直す動きのかたわら、震災の爪あとを後世に残すため保存された建物が「震災遺構」です。
被災した地域に住む人々の震災や遺構への思いが紹介されていたので、ダイジェスト的に紹介していきます。
東日本大震災/震災遺構を残したい。宮城県階上村
宮城県気仙沼市階上村に気仙沼向洋高等学校があります。(2019年3月10日震災遺構として公開)
震災後、多くの瓦礫が撤去されましたが、今も震災当時のままの姿で残っています。
気仙沼向洋高等学校では津波が4階、高さ約12mまで達したそうです。
【残すか壊すか 震災遺構が問う「記憶」】宮城県の気仙沼向洋高校は、東日本大震災の津波に襲われ、今も教室の中に自動車が転がっています。校舎は3月10日から震災遺構として一般公開されます。#東日本大震災8年https://t.co/kxe7dg7nNm pic.twitter.com/gQ062G5xMG
— 日経新聞 写真部・映像報道部 (@nikkeiphoto) 2019年3月7日
校舎の中は、窓がまったくなく、大きな流木が横たわっていたり、照明器具もだらんとぶら下がっていたり。震災直後の状態をできる限り残されています。
なぜ震災遺構を残すのか?
震災遺構を残そうとする人が以下のように語ります。
「津波が来たこと自体がわからなくなってしまうから残したい」
震災の悲劇を忘れない。風化させたくな地域の人々の想いがありました。
一方で残すためには瓦礫を撤去をはじめ、維持するため費用もかかり、なかなか難しいようです。
住人のさまざまな想い
一方で、住人の方の中にはこんな声も上がっています。
税金を使ってまで残すべきなのか
使うなら復興の費用に回してほしい
住人としては「震災を忘れない」という考えと、「復興にお金、力、時間を使わねばならない」という現実もあるんですよね。むしろ「見たくない」「忘れたい」、そう思っている方もいるかもしれませんね。
震災遺構一覧
下記のような場所が震災遺構として認定されています。
- 仙台市
仙台市立荒浜小学校 - 東松島市
旧野蒜駅プラットホーム - 気仙沼市
気仙沼向洋高等学校
「東日本大震災の震災遺構一覧表」にて、詳しく紹介されています。
被災地や遺構をめぐるガイドやツアーも
現在、東北大震災の被災地、遺構をめぐるガイドやツアーも広がっているようです。
参加者から感想はこちらです。
テレビで見るよりも、ずっと怖かった
想像を絶していた
8年経過しても、爪あとが残っていることを実感した
主なツアー、ガイドを紹介します。
まとめ
やっぱり震災の悲劇を風化させないためには、現物として保存するのは大切。その一方で費用もかかる。
現地では、遺構についてたくさん議論がなされて、残す、残さないを判断しているようです。
どんな悲劇でも時間の経過とともに、メディアの露出も減り、人々の記憶から忘れ去られてしまうから、「形」として残して後世に残していく取り組みは続けてほしい。
いつかガイドやツアーにも参加してみたいと思いました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。